肝胆膵疾患


1.妊娠黄だん:妊娠後半に全身のかゆみと黄だんが起こります。1,500妊娠に1例で、おそらく胎盤ホルモンによる胆汁うっ滞によると言われていますが原因不明です。分娩後自然に治りますので心配不要の病気です。
2.急性妊娠性脂肪肝:10,000〜15,000妊娠に1例とまれですが大変恐い病気です。肝細胞内に微小脂肪滴が沈着し肝不全が進行します。嘔吐が主症状で、妊娠後期におこり妊娠中毒症とまぎらわしく、母児ともに危険になります。治療は妊娠を中断することです。

3.HELLP症候群:妊娠中毒症の一部で、特に肝臓が侵された場合の病態名です。肝内あるいは肝被膜下出血のおそれがあり、重症な妊娠中毒症ですので母児ともに危険です。

4.ウイルス性肝炎
A型肝炎:妊娠中にA型肝炎になっても、普通は内科的に管理すれば問題ありません。
B型肝炎:妊娠中に発症した場合の経過は妊娠前と変わりません。しかし肝炎が劇症化した場合の母児管理が非常に大変です。
#Hbs抗原陽性妊婦の取り扱い:妊娠初期のHbs抗原のスクリーニング検査で陽性の場合は、Hbe抗原およびHbe抗体を調べます。 Hbe抗原陽性の場合はキャリアといって、 B型肝炎ウイルスを他のヒトにうつす危険があります。その場合は、生まれた児の感染予防を目的として生後早期に抗HB免疫グロブリンを投与し、以後ワクチンを追加します。 Hbe抗体陽性の場合、児への感染率はかなり低いですが皆無ではないためこの場合も予防措置が推奨されます。
C型肝炎:妊婦さんがHCV RNA陽性の場合10%の児が感染するとされています。

5.胆疾患:妊娠により胆汁貯留傾向になるため妊娠すると胆石が発症あるいは悪化しやすくなります。3割の妊婦さんの胆汁は胆泥というドロドロした状態になります。妊娠中は、無症状の胆石は手術する必要ありません。

6.膵炎:膵炎になる妊婦さんは、胆石を併発している場合が多く見受けられます。妊娠初期には膵炎の症状がつわりに似ているので注意が必要です。

 


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