漢方薬について
漢方医学の特徴
 漢方薬は主として植物、一部は動物や鉱物などの天然物を簡単に加工しただけの生薬です。いろいろな生薬の組み合わせや分量を変えることによって病気や症状に合った漢方薬ができています。
 
漢方薬の選び方
 漢方医学では個々の患者の体質や状態に合わせて漢方薬を選びます。漢方薬を選択する際の目安となる患者の体質や症状のことを「証」といいます。漢方医学の診断法に沿って、全身的な偏りや異常を判定した上で使用する薬を決定します。そのため、全く同じ病気でも証が違えば使う漢方薬も違ってきます。患者の体質によって薬を変えたり、同じ患者の同じ病気を治療する時でも体の状態によって薬を変えたりすることが漢方薬と一般的な西洋薬との大きな違いです。
 
漢方薬が適する場合とは
 外科手術が必要であるとか、一般的な西洋薬で緊急の内服治療が必要である場合などは一般的な治療を優先すべきです。漢方薬が適するのは、現代医学では特に異常を認めないような機能的な異常(自律神経失調症、冷え症、慢性便秘、倦怠感、心身症傾向、体力低下など)の治療です。更年期障害、月経痛、月経不順、月経前緊張症など多くの婦人科疾患にも効果があります。また、現代医学では治療効果が乏しい場合に漢方薬が効果を発揮することもあります。西洋薬の副作用を減らすために漢方薬を併用することもあります。
 
女性の病気と漢方薬
 月経と関連した多くの疾患に効果があります。月経に関連した体の不調は食事や運動などによる生活改善によってよくなることが多いので、軽い異常ならまず漢方薬を試してみるというのも選択肢の一つに上げられます。サプリメントを使用する女性が増えていますが、個人的には、サプリメントに頼ることの弊害や比較的高価であることなどを考えると、保険診療可能な医療用漢方薬を使用された方がよいのではないかと感じています。女性に多い、冷え症、便秘、慢性頭痛、肩こりなどにも効果があります。妊娠中のかぜやアレルギー性鼻炎などに対して薬の使用に抵抗感がある場合にも適しています。また、女性の不妊症だけでなく男性不妊の原因としての勃起障害や精液不良にも効果があると言われています。中高年以降のいわゆる不定愁訴に効果があることが多いので、更年期障害のホルモン治療に抵抗がある場合によく使用します。最近では骨粗しょう症の予防効果やガンの再発・転移予防効果もあると言われています。
 
漢方薬の使い方
 漢方薬は必ずしも長期間にわたって使用するものではありません。一般的には、効果が現れるまでに何カ月もかかるように思われていますが、急性疾患に対してごく短期間だけ使用することもあります。たとえば、風邪をひいて熱が出始めた場合を例にとると、ひき始めに葛根湯を1日だけ使い、その後数日程度小柴胡湯を使い、咳が長引く場合に麦門冬湯を使うといった具合です。比較的長期に使用する場合も、1(〜2カ月)の使用で効果がない、あるいは体に合わないと判断される場合は適宜変更するものです。慢性的な異常でも、数カ月から半年の漢方薬使用で治ってしまえば漢方薬が不要になることもよくあります。
 
最後に
 上手に漢方薬を利用すると健康管理にも役立ちます。産婦人科の疾患には漢方薬の効果があるものが多いので、漢方薬を出してくれる産婦人科はたくさんあります。産婦人科の病気は気になるけれども産婦人科に行くのは非常に抵抗があるという方には、産婦人科を受診するきっかけとしてもお勧めできるのではないでしょうか?

 


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