不正性器出血
不正性器出血とは
 出産後や婦人科手術後などでない限り、月経以外に出血が起これば異常な出血であると言えます。産婦人科では性器からの異常な出血のことを不正性器出血と呼びます。
 
不正性器出血があった場合
 不正性器出血があった場合は、自己判断に頼らず産婦人科を受診されるようお願いします。特に、月経以外の出血があり、あるいは月経のようにみえても、以下に相当する場合は早めに産婦人科を受診する必要があります。
   

 

a. 妊娠している可能性がある。
b. 性交後に出血がある。
c. 出血が多量である。
d. 出血が10日以上続きそうである。
e. 普段の月経がかなり不順である。
f. 閉経後に出血があった。

 

産婦人科では以下のことを確認します。

 

1. 最近の月経の状態。
2. 妊娠しているかどうか。
3. 腟、子宮、卵巣、卵管などの性器に異常がないかどうか。
4. 月経異常を起こす病気や薬の影響がないかどうか。
5. 血が止まりにくい病気がないかどうか。

1.

月経周期に関係した出血かどうかをチェックします。

2.

妊娠している場合、流産、子宮外妊娠、胞状奇胎などの異常妊娠のために出血することがあります。

3.

子宮の入り口があれている(子宮腟部びらん)ために出血する場合、子宮頚癌、細菌やクラミジア感染、頚管ポリープなどの有無をチェックします。性交後に出血する時は子宮癌検診を受けて下さい。クラミジア感染のために少量の出血が起こり黄色〜茶色のおりものが出ることがあります。子宮の中から異常に出血している場合、子宮内膜癌、内膜ポリープ、子宮筋腫などのチェックを行います。閉経後に出血があった時には子宮内膜癌の検査をします。

4.

甲状腺ホルモンが多すぎたり少なすぎたりすると異常な出血が起こることがあります。また、ある種の薬、特に抗不安剤などの神経科の薬によって異常な出血が起こることがあります。

5.

鼻血が止まりにくい人や軽い打撲でも皮下に出血してあざになる人などは血がとまりにくくなる病気かどうか調べる必要があります。

 

機能性出血について
 妊娠が否定され、性器の異常による出血や血が止まりにくい病気でないことが確認できた場合、機能性出血と診断されます。一口に機能性出血といってもいろいろなタイプがありますが、機能性出血の最も多い原因は排卵障害です。思春期と更年期は生理的にホルモンバランスが不安定な時期なので機能性出血がよく起こります。
 
よくある機能性出血
思春期出血:卵巣の機能が未熟なためにホルモンバランスが乱れておこる出血です。多量の出血や10日以上長引きそうな出血の場合にはホルモン剤を使った治療が必要になります。非常に多量の出血のために入院が必要になることもあります。思春期の機能性出血は治療後も再発を繰り返すことが多く、出血をよく起こす人は月経不順の状態が長く続くことが多いので、そうした場合には定期的な月経不順の治療も必要になります。
成熟期出血:成熟期に最も多いのは中間期出血という排卵時期に起こる数日位で自然になくなる少量の出血です。中間期出血が起こっても排卵障害ではありませんので、中間期出血であると確認できれば治療は不要です。成熟期でも一時的なホルモンバランスの乱れによって10日から2週間以上出血が続く場合は治療しないとなかなか止血しません。また、排卵障害が原因で出血する場合には、排卵障害の治療を併せて行う必要があります。
成熟期後期〜更年期の出血:40歳を過ぎると月経周期が短くなって25日位になる人が増えてきます。この頃から月経の前に少量の出血があったり、月経後にダラダラと出血が続くことが多くなります。ともに黄体ホルモンの働きが悪くなることが原因なので出血が長引く時にはホルモン剤で治療します。
更年期出血:閉経が近づくと卵巣の働きが急激に悪くなるので、思春期と同様の出血が起こります。一度に数百cc位出血することもまれでないので、出血が多い場合は早めに産婦人科で治療を受ける必要があります。
 
まとめ
 わずかな不正性器出血が、子宮癌を筆頭にした重大な産婦人科の病気を早期に発見する手がかりになることがあります。逆に多量の出血を放置すると知らない内に貧血が進行していることがよくあります。また高度の排卵障害のために機能性出血がある場合には将来の不妊症の可能性もふまえた定期的な治療が必要になります。いずれの場合も早く対処すればするほどよい結果が得られますので、異常を認めた場合は是非とも早めに産婦人科を受診して下さい。

 


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