心疾患


 約1%の妊婦さんに心臓病があります。以前はリウマチ性心疾患が多かったのですが、現在では妊娠中の心疾患の半数が先天性心疾患です。
妊娠中考慮すべき生理的変化:血管抵抗の低下のために妊娠8週までに心拍出量の増加がはじまり、心拍出量は妊娠により30〜50%増加します。心疾患がある妊婦さんにとって、循環血液量が最大になる妊娠8カ月が最も危険とされています。循環動態が急激に変化する分娩直後もそれに劣らず危険なので注意が必要です。妊娠中期には、妊娠前よりも血圧が少し低下します。妊娠中は血液凝固能が亢進するので抗凝固剤を使用する際に注意が必要です。

1. 安静時には無症状で普通の活動で症状がでる方の場合: 妊娠許可されます。母体死亡率は0〜0.4%です。普通の活動で症状がでない方でも40%の方が心不全になります。

 

管理方法

 

a.

安静、塩分制限、感染の予防と早期治療(特にかぜ)、喫煙禁止

b.

定期的な心機能チェック

c.

分娩方法:原則的に経腟分娩すべきです。
疼痛緩和、分娩第2期の短縮
循環機能の連続監視
急激な循環動態の変動を予防する(特に大出血防止)
帝王切開は、産科的適応がある場合にのみ行います。

d.

産褥期の循環機能監視

#ポイント:心不全兆候は普通ゆっくりでます。聴診で肺にプツプツと音がしだすと要注意です。急に仕事ができなくなったり、呼吸困難や咳発作がでた場合はすでに重症の症状です。

 

2. 普通以下の活動でも症状がでる方の場合:母体死亡率が4〜7%もあります。妊娠が判明した時点で、妊娠を継続できるかどうかを選択することが重要となります。

 Eisenmenger症候群の方:母児ともに死亡率50%もありますので、通常は妊娠継続を断念します


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