消化器疾患


A. 胃の異常
1.食道裂孔ヘルニア:約2割の経産婦さんが食道裂孔ヘルニアになるといわれていますがそのほとんどは分娩後に自然に治ります。食後の胸焼けや胃部不快感の原因になります
2.消化性潰瘍:妊娠して胃潰瘍や十二指腸潰瘍になることはまれです。症状のある潰瘍が妊娠によりしばしば改善します。

 

B.小腸、結腸の異常
妊娠すると胎盤からでるホルモンの影響で小腸の運動性が低下し、結腸が拡張するので便秘傾向になります。
1.炎症性消化管疾患:潰瘍性大腸炎やクローン病は若い年齢層に多い病気です。受精の時期に腸に活動性病変がある場合は、妊娠中病気が悪化することが多いと言われています。
2.消化管閉塞:妊娠中に腸がつまることはまれです。その場合、ほとんどは以前に手術をしたことがある方の腹腔内癒着が妊娠子宮に圧迫されることによって起こります。
3.虫垂炎:虫垂炎の頻度は妊娠しても変わりません。
#診断の困難性:妊娠中は正常でも悪心、嘔吐があるため、虫垂炎の初期症状と見分けにくくなります。また妊娠子宮に押されて虫垂が上方へ移動するので痛みの部位がわかりにくくなります。さらに、妊娠すると生理的に白血球が増加するので血液検査の判断がむずかしくなります。
#治療方針:妊娠中に虫垂炎になった方の死亡率は5%と高く、妊娠中の虫垂切除は困難なので、腹膜炎がおなかじゅうに広がる前に疑診程度でも早期に手術するべきです。

 


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